イワン・ワシリーエフ(Ivan Vasiliev)は、ボリショイ・バレエで頭角を現し、高い跳躍と鋭い回転で知られるロシアのバレエダンサー・振付家です。2024年12月に引退を表明しましたが、2025年8月の日本公演で観客の反応を受けて撤回。現在は日本で、Alexandrite World株式会社の芸術監督を務めています。

2026年12月5日(土)・6日(日)には、自ら振り付けた全幕バレエ『クリスマス・キャロル』で主人公スクルージを踊ります。この記事では、ワシリーエフの経歴、引退撤回から日本での活動までの流れ、日本公演の予定をまとめました。

※この記事は、ワシリーエフが芸術監督を務めるAlexandrite World株式会社の編集部が執筆しています。日本では「ワシーリエフ」と書かれることもありますが、同じ人物です(ロシア語表記は Иван Васильев)。この記事では「ワシリーエフ」で統一します。最終更新:2026年11月1日

プロフィール

名前イワン・ワシリーエフ(Ivan Vasiliev/Иван Васильев)
生年月日・年齢1989年1月9日生まれ(2026年11月1日時点で37歳)
出身ロシア・ウラジオストク
職業バレエダンサー、振付家。Alexandrite World株式会社 芸術監督
肩書ミハイロフスキー劇場・ボリショイ劇場のゲスト・プリンシパル(当社公式プロフィール)、ロシア名誉芸術家(2014年)
主な受賞ブノワ賞(2009年)、モスクワ国際バレエコンクール最優秀賞(2006年)、ペルミのアラベスク-96バレエ・コンクール最優秀賞(2005年)ほか
代表的な演目『ドン・キホーテ』『海賊』『パリの炎』『スパルタクス』『ジゼル』
芸術監督 イワン・ワシリーエフのポートレート
芸術監督 イワン・ワシリーエフ

経歴:ボリショイから世界の舞台へ

2006年にベラルーシ・バレエ学校を卒業し、同年末にファースト・ソリストとしてボリショイ・バレエへ入団しました。2010年末までにはプリンシパルへ昇格。当社の公式プロフィールでは「ボリショイ史上最年少のプリンシパル」とも紹介しています。

2011年には、サンクトペテルブルクのミハイロフスキー・バレエへプリンシパルとして移籍。アメリカン・バレエ・シアターやミラノ・スカラ座、ボリショイのゲスト・プリンシパルとしても世界各地の舞台に立ってきました。2015年にはノヴォシビルスク劇場でもプリンシパルとなり、同じ年から振付にも取り組みはじめています。

幼いころにボリショイ・バレエ学校の入学試験に落ちた経験があり、決められた「型」にはまらず「自分だけの踊り」を信じてきたと、芸術監督メッセージで語っています。

持ち味:高く跳び、鋭く回る

ワシリーエフの持ち味は、爆発的なジャンプと圧倒的な回転です。チャコットの記事も、ロケットのような爆発的なパワーにあふれた踊りで知られるスターダンサーと紹介しています。当社の公式プロフィールでは「最後のスーパースター」と呼んでいます。『パリの炎』『海賊』『ドン・キホーテ』など、高い技術が求められる演目を数多く踊ってきました。

近年は、踊るだけでなく、脚本・演出・振付にも活動の幅を広げています。2026年8月に東京で上演した『Love Of My Life』は、クイーンの楽曲9曲を使った、本人の脚本・演出・振付による新作です。そして12月の『クリスマス・キャロル』は、ワシリーエフが振付家として初めて手がけた全幕バレエで、ミハイロフスキー劇場の正式レパートリーにもなっています。

引退表明から撤回まで

ここからは、引退表明から日本での復活までの流れを、時系列で整理します。

2024年12月27日引退を表明
2025年8月18日埼玉県のウェスタ川越で『Alexandrite Gala 2025 -最後のワシリーエフ-』を開催。ワシリーエフ自身が引退の日と定めていた公演で、カーテンコールの大歓声と拍手を受け、その場で引退を撤回
2025年〜2026年「Ivan Vasiliev -FINAL- WORLD TOUR」として、アテネやドバイ(2026年5月)などで公演
2026年6月27日〜7月5日東京タワーで写真展『Alexandrite Gala ワシリーエフ復活への軌跡』(写真家・後藤奈津子、入場無料)
2026年7月Alexandrite World株式会社を設立(8月3日に芸術監督就任を発表)
2026年8月18日〜20日『Alexandrite Gala -炎の復活祭-』を東京(めぐろパーシモンホール)と大阪(豊中市立文化芸術センター)で開催。東京では新作『Love Of My Life』も上演
2026年12月5日・6日全幕バレエ『クリスマス・キャロル』日本初演(公開ゲネプロは12月4日)

引退の決断は、長年にわたる第一線での活動、批評との闘い、心身の疲弊の末のものだったと、当社の発表では説明しています。それでも2025年8月18日、本人のメッセージによると、幕が降りた舞台の上で、主催の福田昂平に「引退を、撤回します。」と叫んだといいます。

2025年の公演のカーテンコールで観客の拍手に応える出演者たち
2025年の公演のカーテンコール(写真は過去のものです)

チャコットのインタビュー(2026年8月18日)で、ワシリーエフは撤回したときの気持ちを「ショー・マスト・ゴー・オン!」だったと振り返っています。体力的にハードで踊る機会が減っていた『パリの炎』のグラン・パ・ド・ドゥを『炎の復活祭』で解禁した理由は、2025年の公演が、踊りたいという純粋な気持ちを取り戻させてくれたから。ただし『パリの炎』を踊るのは現時点では最後にするつもりで、今後は観客の反応を見て考えたいと話しています。

ファンの支えも大きな力になりました。株式会社LaBALLの発表によると、クラウドファンディングの支援額は、引退公演で3,500万円超、『炎の復活祭』では目標の909%にあたる約4,500万円に達しました。

いま、日本で何をしているのか

ワシリーエフは現在、日本を拠点に活動するAlexandrite World株式会社の芸術監督です。同社は2026年7月、株式会社MOSTのバレエ興行事業をスピンオフして設立されました。掲げるビジョンは次の3つです。

  • 「本物」の芸術を、日本の観客に。
  • 「復活の文化」を、日本から世界へ。
  • 誰も見たことのない、心躍るバレエを。

事業の柱は、世界トップクラスのダンサーを招くガラ公演と新作バレエの企画・製作、ロシア式メソッドを取り入れた教育プログラム「Class X」と留学・キャリア支援、そして国際交流・メディアの3つです。

芸術監督就任の発表では、「日本のファンが、私に第二の人生をくれた。今度は私が、この国から世界を驚かせる番だ。」とコメントしています。会社の詳しい情報は、芸術監督就任のプレスリリースと公式サイトでご覧いただけます。

日本公演の予定:『クリスマス・キャロル』

ディケンズの名作を原作に、他人に心を閉ざした老人スクルージが、クリスマス・イヴの夜に精霊たちに導かれて、過去・現在・未来を巡る物語です。ワシリーエフが演出・振付・主演を務め、スクルージを踊ります。老人の姿のまま高く跳び、鋭く回る――ワシリーエフの持ち味を、物語の中で味わえる舞台です。

日程2026年12月5日(土)13:00/17:00、12月6日(日)13:00(公開ゲネプロ:12月4日(金)18:00)
会場MoN Takanawa: The Museum of Narratives Box1000(高輪ゲートウェイ駅 北改札口から徒歩6分/都営地下鉄 浅草線 泉岳寺駅 A4出口から徒歩3分)
上演時間約1時間50分(休憩含む)
料金(税込)SS席 19,800円/S席 16,500円/A席 12,100円
チケット公演特設サイトでカード決済。座席は主催者が指定します。座席番号入りの電子チケットは、決済から3営業日以内にメールでお送りします
ご注意未就学児は保護者1名につき1名までひざ上鑑賞無料(お席が必要な場合はチケットが必要です)。お客様のご都合による払い戻し・変更はできません
バレエ『クリスマス・キャロル』雪の街で跳躍するスクルージ
『クリスマス・キャロル』の舞台(写真は過去の上演より)
  • セリフに頼らず、踊りで物語を伝える舞台
  • ミハイロフスキー劇場の衣装と、Box1000のLEDスクリーンによる映像美術
  • 約1時間50分で、初めてバレエを観る方や親子でも観やすい長さ

見どころの詳細は、お知らせの記事でご紹介しています。公開ゲネプロの詳細や、出演者・チケットの最新情報は、公演特設サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. イワン・ワシリーエフは引退したのですか?

A. いいえ。2024年12月に引退を表明しましたが、2025年8月18日の日本公演で撤回し、現在も舞台に立っています。12月の『クリスマス・キャロル』でも主演します。

Q. 年齢は何歳ですか?

A. 1989年1月9日生まれで、2026年11月1日時点で37歳です。

Q. なぜ引退を撤回したのですか?

A. きっかけは、2025年8月18日の公演のカーテンコールです。観客の大歓声と拍手を受けて、その場で撤回しました。当社の発表では、本人が「日本のファンの熱が、私を生き返らせた。」と述べています。

Q. 日本でワシリーエフの舞台を観られるのはいつですか?

A. 次の舞台は、2026年12月5日(土)・6日(日)の全幕バレエ『クリスマス・キャロル』日本初演です。東京・高輪のMoN Takanawa Box1000で、全3公演を行います。

Q. チケットはどこで買えますか?

A. 公演特設サイトからカード決済で購入できます。決済後、座席番号入りの電子チケットがメールで届きます(決済から3営業日以内)。お客様のご都合による払い戻し・変更はできませんので、公演日と席種をご確認のうえお申し込みください。

Q. 子どもは入場できますか?

A. 未就学児は、保護者1名につき1名までひざ上での鑑賞が無料です。お席が必要な場合はチケットが必要です。

Q. 「ワシーリエフ」と「ワシリーエフ」は別人ですか?

A. 同じ人物です。ロシア語の Васильев をカタカナにするときの表記の違いで、媒体によって「ワシーリエフ」「ワシリーエフ」と書き分けられています。

Q. バレエを観たことがなくても楽しめますか?

A. はい。『クリスマス・キャロル』はセリフに頼らず、踊りで物語を伝える作品です。上演時間も休憩を含めて約1時間50分で、初めての方や親子でも観やすい長さです。

まとめ

引退を決意したダンサーが、日本の観客の拍手を受けて舞台に戻りました。いまは芸術監督・振付家として、新しい作品を生み出しています。それがイワン・ワシリーエフの現在地です。その最新の姿を、12月の『クリスマス・キャロル』でぜひご覧ください。

出典

  • チャコット「“炎の復活祭”を皮切りに、日本での活動を本格化するイワン・ワシリーエフにインタビュー」(香月圭、2026年8月18日)— 記事
  • Alexandrite World株式会社 プレスリリース「イワン・ワシリーエフ 芸術監督就任」(2026年8月3日)— PR TIMES
  • 株式会社LaBALL プレスリリース「写真展 Alexandrite Gala ワシリーエフ復活への軌跡」— PR TIMES
  • CAPA CAMERA WEB「後藤奈津子写真展」紹介記事 — 記事
  • Wikipedia「イワン・ワシリーエフ」(生年月日・経歴・受賞)— ウィキペディア
  • Alexandrite World 公式サイト(プロフィール、ビジョン)— alexandrite-world.com
  • 『クリスマス・キャロル』公演特設サイト(日程・料金・チケット)— christmascarol2026.com

文:Alexandrite World編集部/写真:Alexandrite World/情報は2026年11月1日時点のものです。